サブリースによるトラブルの相談

当社団法人には、サブリーストラブル相談が多く寄せられています。
サブリース契約は、上手に利用すればオーナーにメリットも多い賃貸経営です。
しかし、残念ながら一部企業の運用に問題があり、いくつか社会問題化したトラブルも起きています。
サブリース問題は2017年頃より深刻化し、さまざまな事件がメディアによって取り上げられ、 その中には、誰もが知る大手有名企業も含まれており、世間の注目を集めました。
ここでは、そんなサブリースによくあるトラブルを解説していきたいと思います。


サブリーストラブル事例

では、サブルース契約によるトラブル事例について確認しましょう。 「もし自分にも同様のトラブルが起こったら。」と言う目線で確認してみてください。

家賃はいつまでも保証されると考えていた

サブリース契約をめぐるトラブルで最も多いのが「家賃の保証期があるにもかかわらず、家賃を値下げされた」というケースです。

サブリース契約では、「家賃保証」「30年一括借上げ」等を売りにしている業者はたくさんいます。
しかし、実は「30年間の家賃保証」をしている業者はほとんどいません。

多くは「10年間は家賃保証するが、その後は2年毎に契約を見直す」といったタイプの契約内容です。 つまり、最初の10年を過ぎたら家賃保証はなくなるのです。
それを「契約期間は一定の保証賃料が入ってくる」と勘違い、又は悪質な営業トークによって騙されて契約してしまうケースもあり、それが、以後のトラブルにつながってしまうのです。

大抵の場合、最初の保証期間を過ぎたら、業者側から「家賃保証を減額して欲しい。そうでなければ契約は解除して物件の管理も入居者募集も行わない」と言ってきます。その減額幅は30~60%になることもあります。 

トラブル事例
  • Aさん:60代男性。新築区分マンションを5戸保有。 
    Aさんはマンション投資を考えていましたが、空室になるのが不安でなかなか決断できずにいました。

    そんな時、不動産会社からサブリース契約を持ちかけられました。
    「空室リスクを心配する必要はない!」「30年一括借り上げだから安心」という言葉に惹かれサブリース契約を結びました。

    しかし、2年程たったころ、入居率の悪さから一方的に保証賃料の値下げを通知されてしまいました。
    「30年保証する」と聞かせれていたので契約書を確認すると、「上限が30年」とあり、どこにも「30年保証する」とは書かれていませんでした。
    賃料を値下げされると、ローンの支払いが厳しくなってしまいます。サブリース解除を打診しましたが、家賃6か月分の違約金が発生するといわれてしまいました。

  • Bさん  30代会社員男性。 新築区分ワンルームマンション1戸購入
    会社員のBさんは会社の先輩が不動産投資を始めたと聞いて、自身も不動産投資に興味を持ち、新築マンションを購入することを検討しました。

    そしてWEBで見つけた不動産業者に問い合わせをし、郊外の新築のマンションを紹介してもらいました。
    立地的に不安がありましたが、「新築マンションだから、人気がある」 「サブリース契約を結べば、実際に入居しているかどうかに関係なく、賃料が入ってくる」という営業の言葉を信じて物件とサブリースの契約を結びました。
    しかし、物件購入から5年が経ったころ、不動産業者から一方的にサブリースを解約する旨の通知が届きました。

大規模修繕費用の負担を求められた

大規模修繕工事や、退去後の原状回復費用は、原則オーナーが負担することに決められています。
契約時には、サブリース会社と物件保持のためにかかる費用の分担範囲に関して、しっかりと話し合いをしておくことが大切です。

トラブル事例
  • Cさん:50代男性。アパート10戸を保有。
    築25年の所有物件を修繕することになり、サブリース会社から見積り書が届きました。
    その金額は予想をはるかに超えていたので独自に相見積をしたところ、サブリース会社指定の業者は30%もの法外なマージンを取られていることが判明しました。
    部屋や建物の修繕は、サブリース業者に任せることが契約書の条件になっていた為、自分で業者を指定することもできませんでした。

免責期間があるのを知らなかった

免責期間というのは不動産会社が家賃保証をしなくていい期間のことで、ほとんどのサブリース契約で免責期間というものが設けられています。
これは、退去が出た場合1~3ヶ月間程度の期間は“必ず家賃が入らない”仕組みです。

違約金が解約する際に必要であることを知らなかった

サブリースの解約で請求される違約金の相場は、家賃収入の約6カ月分です。
たとえば、月間の家賃収入が40万円の場合、違約金が240万円かかる計算になります。

基本的にオーナーとサブリース会社との間で成立した賃貸借契約の場合、借地借家法によって借主であるサブリース会社が保護されます。 ですので、サブリース会社からの途中解約は借主の権利として認められますが、一方、サブリース会社の同意がない状況でのオーナーからの解約申し出は、正当な事由がなければ簡単に成立しないという厄介な法律の壁があるのです。

トラブル事例
  • Dさん:50代男性。10戸の中古区分のアパートを保有。 
    副業として中古のアパートを購入し、経営を始めたDさんでしたが、本業の経営で大きな赤字を出してしまい、その穴埋めとしてアパート売却を考えました。
    しかし、サブリース付きの物件の売却は難しいので、サブリース会社に契約の打ち切りを打診すると、違約金として家賃の6か月分360万円を請求されてしまいました。

家賃が振り込まれず、挙句はサブリース会社が倒産

業者が倒産してしまったあげく、保証賃料が入ってこなくなったというトラブルも存在します。
もしサブリース会社が倒産した場合、通常大家さんは、自分が賃貸人の地位を引き継いで入居者と直接契約したりすることを希望すると思われます。

しかし、引継ぎがスムーズに行かず、入居者が倒産したサブリース会社の預金口座に賃料を振り込み続けたり、逆に、入居者が誰に賃料を払ってよいか分からないとして、賃料の支払いを留保したりする状況が発生すると思われます。 そうなると、賃料は入ってこない、でも借入の返済はしなくてはならないという事態に陥ることが考えられます。

トラブル事例
  • Eさん:大阪在住。30代女性。新築区分のワンルームマンションを1戸を保有。 
    Eさんは投資の為に大阪市内にサブリースによる管理のワンルームマンションを所有していました。
    契約から3年経った頃、最初は数日の送金の遅れであったのですが、それが恒常的になってしまい、1年すると完全に停止してしまいました。
    やがて、その会社が倒産したという情報を得ましたが、入居者の情報を全く知らされておらず、連絡を取ることができませんでした。
    その後、直接入居者の元を訪ね事情を話し、家賃は倒産したサブリース会社の預金口座に賃料を振り込み続けていたことを知らされました。
    結局、その振り込んだお金がDさんに戻ることはなかったそうです。

 まとめ

サブリース契約は、管理業務の煩雑さや空室・家賃滞納のリスクを回避できる運営方式ですが、収益性が下がるなどのデメリットも多く発生します。
サブリース会社の中には、賃料の減額リスクや解除がしにくいなどのデメリットについて詳しく説明せずに契約を勧めてくる会社もあります。 契約内容をきちんと確認し、トラブルになりそうな点について事前に確認をしておくことが重要です。

サブリース契約トラブルでお悩みの方、お気軽にご相談ください。
解決のお手伝いを完全無料でさせて頂きます。