アパートの建て替えによる立ち退き交渉 

所有されている不動産の老朽化は、入居率の低下や賃料の値下がりを招き、それに応じて入居者の質も低下してしまいます。
建て替えや大規模リフォームの目安となるのは築30年前後と言われ、その際、当然ながら入居者たちには出て行ってもらう必要があります。
しかし、問題なのは立ち退き交渉です。
そこで今回は、アパートの建て替えによる立ち退き交渉や対応の仕方、立ち退き料の相場やトラブルの対処法などをご説明してきます。

立ち退きの進め方とスケジュール

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ステップ1.入居者への立ち退きを通知する(退去日の半年~1年前)

最低でも6か月前を目安に申し入れを行うようにします。
立ち退きの経緯や理由、入居してくれていることへの感謝などを伝えると、大家の誠実さが伝わりやすくなるでしょう。

ステップ2.立ち退き料の交渉(退去日の4カ月前~5カ月前)

解約の申し入れを断られた場合などは、話し合いが必要です。
大家から立ち退きを要請する場合は、正当な理由がなければいけません。
解約申入れの正当な理由や、立ち退き料などを明確にし、誠意をもって対応するのがポイントです。

ステップ3.立ち退き開始

入居者が納得したら、実際に立ち退きへと移ります。
この際、「期日までに退去した場合には立ち退き料を支払う」などと条件を決めておくとよいでしょう。

オーナー都合による立ち退き料の相場

本来、借地借家法では貸主側から退去を命じることはできず、正当な事由が必要です。
アパートの老朽化による解体はこの正当な事由に該当しますが、この場合入居者は貸主の都合で生活拠点を変えなければなりません。
そのため、入居者が立ち退きを拒否しそのまま居住し続けるケースも多いです
立ち退き料の金額は法律上では定められていませんし、必ず支払わなくてはならないというものではありません。
立ち退き料は家賃の6ヶ月分程度が相場とされています。
アパート・マンションの立ち退き料の相場は、過去の判例を参考にすると家賃5~10万円の場合、大体40万~100万円が目安となります。
立ち退き料には、新たに住む物件の初期費用や引っ越し費用などが含まれています。
ただし、新居探しにかかる時間や費用は個人差があるため、立ち退き料の相場はあくまで目安です。
なお、立ち退き料はあくまでも通例であり、法律上の規定や支払いの義務があるわけではありません。

立ち退き料の内訳

一般的な立ち退き料の内訳は以下のようなものです。

  • 引越し代 ・新居の敷金や礼金
  • 不動産会社の仲介手数料
  • 家賃が上がるときはその差額分
  • インターネット回線の移転費用(20,000円程度)

立ち退き料が不要となるケース

入居者が家賃を滞納していたりゴミ屋敷のような使い方をしていたりした場合は、立ち退き料なしで退去させることができます。
立ち退き料を支払う必要のないケースは以下の通りです。

  • 家賃の長期滞納
  • 契約時に期限を設けているケース
  • 事前の承諾なく第三者に転貸している
  • 故意または重大な過失により物件に損害を与えている
  • 公序良俗に違反する目的や反社会的な用途に使用している
  • 定期建物賃貸借契約が満了した場合
  • 建物が極端に老朽化して重大な危険がある場合
  • 競売でオーナーが変わったケースで退去を要請

立ち退きの交渉のポイント

  • 綿密な計画を立てる
  • 立ち退きの正当事由をチェック
  • 立ち退きの申し入れは自ら行う
  • 立ち退き理由について丁寧に説明する
  • 余裕を持ったスケジュールを提案する
  • 譲歩のポイントや交渉決裂の場合の代替策も考えておく
  • 口頭ではなく書面で解決案を提示する
  • 立ち退き交渉は相手を出し抜くための手段ではない
  • 必要であれば弁護士に依頼をする

 まとめ

ご自身では問題を解決することができないというお悩みをお持ちの方、ぜひお気軽にご相談ください。
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