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不動産投資詐欺よくある手口

大きな金額が動く不動産投資では、詐欺の被害も報告されています。
「自分は詐欺に遭わないから大丈夫」と思っていても、騙す方は巧みに嘘を並べ、気が付かないうちに相手の手中にはまり、結果騙されてしまったという事例が多く見受けられます。
不動産投資で向こうから飛び込んでくる儲け話は危険です。
もともと資産があり、それを運用しようとしている人は自分で情報を集め、研究します。
そのような人は慎重に情報を分析するので、被害に合う確率は低い傾向にあります。
逆に具体的な見通しを持たないが、漠然と資産を増やしてみたいと考えている人は予備知識が無い為、詐欺の被害に遭いやすいです。
ここでは、よくある不動産投資詐欺の種類と手口を紹介します。
よくある7つの不動産投資詐欺
  • 手付金詐欺
    不動産購入の手付金を支払ったあとに連絡が取れなくなる。
  • 満室偽装詐欺
    空室の目立つ不動産を満室を装って契約を持ち掛ける。
  • サブリース詐欺
    「半永久的に保証賃料を下げない」などといって契約を結ばせるが、契約更新時に保証賃料を大幅に値下げされてしまう。
  • 二重譲渡詐欺
    1つの物件を複数の人物に売却する詐欺。
    費用を全額支払ったとしても、先に登記した人がいる場合は、その物件を取得できない。
  • デート商法
    親密な関係になったところで不動産購入を勧められる。契約後、連絡が取れなくなる。
    物件の質は低く価格も割高であるケースがほとんど。 
  • 海外不動産投資詐欺
    実際に現地を見に行くのが難しいことを逆手に取った詐欺。
    実態のない不動産を販売したり、実際の価格よりも高値で販売したりするほか、お金を持ち逃げされ、物件すら手に入らないというケースもあります。
  • なんちゃって不動産投資
    不動産投資では違法な「住宅ローン」を使って不動産を購入させる。
    借りた人も犯罪になる行為で、表ざたになると、投資者は銀行に全額返済を求めらたりすることも。

 手付金詐欺

不動産投資用物件を購入する際には、物件の売買契約を結ぶ際に不動産会社に手付金を支払います。
手付金を支払った後に連絡が取れなくなり持ち逃げされる詐欺を「手付金詐欺」と言い、手付金だけを取られ物件は手に入らない詐欺の手口です。

事例

Aさんは不動産投資を検討しており、不動産会社から非常に条件が良く、その割に購入費用も安い物件を紹介されました。
立地が良く、築年数が浅く、入居率も高く、購入価格もお手ごろ。
不動産会社からも「こんないい物件他にない!」と強く勧められ、購入する事に。
契約を交わし、手付金として300万円を支払いました。
その後、不動産会社から連絡が途絶え、こちらから連絡するも電話がつながらず、慌てて不動産会社の住所を訪ねましたが、該当住所にそんな会社は存在しませんでした。
詐欺にあったと確信するも、売買契約を結んだ売主も偽物で、手付金300万円は結局戻っては来ませんでした。

契約をする前にここをチェック!

  • 契約を急かすケースは怪しいと注意する。
  • 物件価格の20%以上の手付金を請求された場合は注意する。
  • 宅地建物取引業者として登録されているかを確認する。
  • グレードの高い建物に事務所を構えているか。
  • 物件の基本情報(相場価格、賃貸需要など)の確認や現地確認をする。

 満室偽装詐欺

実際には空室が多いマンションであるにもかかわらず、自社の従業員などをサクラとして入居させ、「このマンションは常に満室なので、高利回りが得られます」などと騙して購入を勧めてきます。
満室に見せかけることによって物件の収益能力が高いと思わせ、物件価格を相場より高く設定していることもあります。 
また、不動産の賃貸借条件を一覧表にしたレントロール自体が改ざんされている場合もあり、見抜くのが困難なことが多い。

事例

Aさんは某地方都市の全10戸の満室利回り15%(現在満室)の物件を購入したました。
物件の管理は引き続き仲介会社にお願いすることにしました。
最初に1か月は満室分の家賃が振り込まれましたが、翌月はその半分になっていました。
管理会社に問い合わせると、5室が退去したとの返答が返ってきました。退去のことは全く初耳だったので、問いただすと、「あれ?言ってませんでしたか?」と全く悪びれもせず、挙句は、「もし、売却されるなら、うちで売りますよ」と言われました。
そこでAさんは、これは入居者偽装詐欺だと気が付きました。
最終的に別の不動産会社に物件を売却しましたが、買った時の金額より1,000万近く安い価格でしか売れませんでした。

契約する前にここをチェック!

  • 物件の基本情報(相場価格、賃貸需要など)の確認や現地確認をする。
  • 現在の入居者がいつから入居しているかを確認。転居が多い春でもないのに複数の部屋で入居があった場合には、偽装満室かもしれません。入居時期について明確な回答が得られない場合も要注意。
  • メリットだけを伝えてくる営業を信じない。

 サブリース詐欺

家賃を半永久的に保証するという謳い文句で、サブリース契約を勧める詐欺の手口です。
実際には、当初の家賃を半永久的に保証されることはなく、賃料更新時に低い賃料に見直す契約に変更されてしまいます。

事例 

Aさんはアパート投資を考えていましたが、空室になるのが不安でなかなか決断できずにいました。
そんな時、不動産会社からサブリース契約を持ちかけられました。
「空室リスクを心配する必要はない!」「30年一括借り上げだから安心」という言葉に惹かれサブリース契約を結びました。
しかし、2年程たったころ、入居率の悪さから一方的に保証賃料の値下げを通知されてしまいました。「30年保証する」と聞かせれていたので契約書を確認すると、「上限が30年」とあり、どこにも「30年保証する」とは書かれていませんでした。
結局、値下げに応じるとローンの支払いが困難になってしまうので、これ以上赤字を大きくしないようにアパートを売却することにしました。

契約をする前にここをチェック!

  • オーナーに不利な条件の説明を省く場合があるので、サブリースについてある程度の知識を持つこと。
  • 「契約後の賃料の値下げの可能性やその時期をチェック。
  • 家賃保証の見直しや免責期間などをしっかりと確認する。
  • 契約期間内での解約の可能性の確認。
  • 契約後の様々な費用の確認。
>>サブリースについてもっと詳しく

 二重譲渡詐欺

既に売却が決まっているにも関わらず、第三者にも売却済であることや購入希望者がいるということを故意に伏せて別の投資家に同じように販売するという詐欺。

事例

Aさんは退職後の住まいとして、知人を通じて 郊外に100坪の土地を紹介されました。
都内まで電車で1時間弱、最寄りの駅まで徒歩10分、自然に囲まれた環境は実に魅力的でした。
Aさんは理想的な土地が見つかったと、購入を決意し契約を交わしました。
しかし、その後、その土地はすでに売却されており、別の人の名義で登記されていたことが発覚します。
その後売却にかかわった不動産会社はもとより、知人とも連絡が取れなくなり土地もお金も失ってしまったのでした。

契約をする前にここをチェック!

  • ローンを利用する。
  • 決済前に必ず登記の内容を確認する。チェックポイントは登記の日付、売主を名乗る人に所有権があるかどうか。
  • 本契約とは関係のない司法書士に依頼して、登記簿に不自然な点がないか確認してもらう。

 デート商法

「デート商法」とは、相手の恋愛感情に付け込んで高額商品をかわせる悪質商法のひとつで、「恋人商法」とも呼ばれます。 相手に好意を持っていると、不動産をいらないと思っても嫌われるのが怖くて断りにくいものです。相手への信頼や好意に付け込まれ、仕方なく契約をしてしまうケースが多いと言われています。

事例

Aさんはインターネットの婚活サイトでBさんという美しい女性と知り合い、数回デートを重ね夢のような時間を過ごしました。
BさんはAさんに二人の将来のために投資用マンションの購入を勧めてきましたが決断できないでいると、将来が不安だから別れると言い出しました。AさんにとってBさんは理想の相手で、彼女と結婚できるならと契約をします。
一週間を少し過ぎたころ、彼女と一切連絡が取れなくなり騙されていたことに初めて気が付きました。

契約をする前にここをチェック!

  • 甘い言葉を鵜呑みにせず、冷静に物件情報を確認する。
  • お互いのことをよく知らないうちから「将来のため」などと投資を勧める発言をされたら要注意。
  • 結婚したい気持ちが強くても、早まらずに一度家族や友人に相談すること。
  • メッセージなどで、職業や年収について執拗に聞いてくる場合は、注意が必要。
>>デート商法についてもっと詳しく見る

 

 海外不動産投資詐欺

近年増えている詐欺手口である海外不動産詐欺は、海外不動産が儲かるといった話を持ち掛けて海外不動産を売りつけます。
実際の物件価格よりも遥かに高い金額で販売されたり、物件内容が誇張されていたりするものの、海外なので購入者も自身の眼で確かめることも難しく、正しい情報を得にくいことから騙されてしまうことが多くなっています。

事例

Bさんは定年後の生活の安定の為、それまでコツコツと貯めて来たお金で投資を検討していました。
そこで、知人を介してマレーシアのコンドミニアムの投資を斡旋をしている不動産会社を勧められました。
勧められたのは、不動産投資会社が所有する建築中のコンドミニアムで、建築中であれば本来の販売価格より安く購入できるため、完成後に転売すれば、売却益が得られるというものでした。
海外の物件ということで不安はあったものの、現地に精通している営業マンにマレーシアの不動産の魅力を熱く語られ、Bさん自身も徐々に引き込まれ最終的に契約を交わし購入しました。
しかし、その後その営業マンとの連絡は途絶え、建設中というコンドミニアムは完成することなく、お金も戻っては来ませんでした。

契約をする前にここをチェック!

  • 信頼できる不動産会社から購入する。業績や実績、資本金や事務所の所在、口コミなどを調べる。
  • 契約前に自分または信頼できる代理人による現地調査を行う。

 なんちゃって不動産投資

不動産投資の為には金利の低い住宅ローンを使うことは違法となりますが、顧客に「自分で住む」と虚偽申告させて、フラット35を悪用して投資用物件を買わせる詐欺の手口です。

事例

大学時代の友人Bがワンルームマンション投資をやっていて、利益をあげているという話を聞き興味を持ったAさんですが、年収が低い彼には夢のような話だと思っていました。
ところがある日、「年収200万からできる! 借金があってもOK! 派遣社員でもできる!」という不動産投資の広告を見て、もしかしたら自分でも?と思い興味本位で話を聞きに行きました。
そこで住宅ローンで投資用マンションを購入する方法なら低金利で投資できるし、不動産投資ではよく使われる方法だと説明を受けました。それならば自分でも無理なく投資ができると契約し、念願のマンション投資を始めました。
しかし一年後、銀行からの郵便物と物件の住所が違っていた為に銀行に不正がばれてしまい、住宅ローンの一括返済を求められてしまいました。

契約をする前にここをチェック!

  • 違法な犯罪行為という認識を持つこと。
  • 絶対住宅ローンで投資物件のローンを組まない。 

最後に

不動産投資は有効な資産形成の方法の1つですが、安易に開始をしてしまうと取り返しのつかない事態に陥ることもあります。
もし言われるがままに物件を買ってしまいそうな場合は、取り返しのつかない事態になる前に、一度立ち止まって周りの人に相談をしてみてほしい。 もし身近に相談する人がいない人は、ぜひ当サイトで相談をしてみてはいかがでしょうか?