不動産投資に住宅ローン?  

なんちゃって不動産投資とは

なんちゃって不動産投資住宅ローンで不動産投資

不動産投資には様々な投資方法がありますが、中には避けるべき手法も存在します。
その代表例が「なんちゃって不動産投資」と呼ばれるものです。

「なんちゃって不動産投資」とは、投資目的で購入した不動産のローンを組む際には「不動産投資ローン」を使う決まりがありますが、金利の安い住宅ローンを使って投資目的の不動産を購入する行為を指します。
自分が住む家を買うとうそをつき、住宅ローンで手に入れた家を人に貸して家賃収入を得る。これを「不動産投資の偽装」といい違法行為になります。
なぜなら、住宅ローンは契約者が居住する物件を購入するためのローンだからです。 投資用の物件を購入する場合、必ず不動産投資ローンを組む必要があります。

住宅ローンと不動産投資ローンの違いについて

不動産投資ローンと住宅ローンは以下のように条件が違っています。

  住宅ローン 不動産投資ローン
利用目的 ローンを利用する方自身が住む不動産を購入するためのローン 人に貸し出して利益を得る投資用不動産を購入するためのローン
必要年収 300万~ 500万~
ローン金額 購入者の希望金額 家賃からの利回り計算
金利 0.4~2%程度 1.7~4%程度
ローン期間 35年 築年数が古ければ古いほど、法定耐用年数の兼ね合いで融資期間が短くなる
自己資金割合 フルローンが可能 販売価格の1割〜2割を自己資金
 審査基準  信用情報に問題がなく収入が安定している人であれば別に高所得者でなくても審査を通過することができる  信用情報や収入+「対象の物件が今後収益を生み続けられるかどうか」「いざという時にローン残高を補てんできる価値がある物件か」などの点もポイント

こうして比較してみてみると、低金利で返済期間が長い!住宅ローンで不動産投資を偽装するメリットが多いように思えます。
低金利でゆっくり返済できれば毎月の返済額は少なくなり、家賃との差額で残るお金は当然ながら、不動産投資ローンの場合と比べれば多くなります。しかし、それはあくまで違法です!
何度も言うように、居住用と偽って投資用物件を「住宅ローン」で購入するのは、「なんちゃって不動産投資」と呼ばれる違法行為です。

不動産投資を偽装した実例

住宅ローン不正利用は、大きく分けて借主が自ら意図的に行う場合と、知らずに自ら行う場合、だまされて行う場合の3パターンがあります。意図的に行う場合は救いようがない行為ですが、騙されて行う場合、詐欺グループによって巧みに偽装され、自分では気が気が付かないうちに詐害行為を行った借主となってしまっているという事例が多数報告されています。
また、ローンの残っている家を転勤の為貸し出すことも同様の行為になりますので注意が必要です。

業者から偽装を「勧誘」された

なんちゃって不動産投資住宅ローンで不動産投資|業者から競うを「勧誘」された SNSや不動産投資セミナーを通じてターゲットに近づくことも多いようです。
またマッチングアプリを使って相手に近づき、信頼関係を築いてから不動産投資の話を持ちかけられ、銀行から不正に住宅ローンを引き出す虚偽申請の方法を提案され、理解が不能なままローンを組んでしまうというパターンです。>>コラム「その契約、不動産詐欺では?

住宅ローンの残っている物件を転勤の為貸し出した

転勤であっても住宅ローン中の賃貸が金融機関にバレると、契約違反になることから「住宅ローンの一括返済」、「法的措置を求められる」場合があります。
フラット35を支援している住宅金融支援機構では、住宅ローン中の無断賃貸が発覚した場合の対応について以下のような注意書きがあります。
「第三者に賃貸する目的の物件などの投資用物件の取得資金に利用するなどの目的外利用が判明した場合には、お借入れの全額を一括で返済いただく場合がありますのでご注意ください。」
住宅ローン返済中に転勤になり、生活の足しに持ち家の賃貸を検討する方は大勢います。必ず金融機関に報告し承諾を得てから、賃貸を行うようにしましょう。

住宅ローンで不動産投資が発覚すると

  • 住宅ローン残債の一括返済
  • 警察への通報もしくは損害賠償請求
  • 次の借り入れが難しくなる

1,住宅ローン残債の一括返済

なんちゃって不動産投資住宅ローンで不動産投資|銀行から一括返済を迫られた 銀行から融資を受ける際には銀行と「金銭消費貸借契約」を締結する必要があります。その契約の中に、「購入した物件を自己居住目的以外で使用しない」という文言が入っています。そしてこれに違反すると、銀行から借入金額の一括返済を求められることとなるのです。
いきなり何千万円も請求されても払えるわけがありません。 一括返済するために売却しようとしても、購入して数年であればローンの残債以上の金額で売るのは難しいのが実状です。
結果、自己破産して競売にかけられたりと悲惨な状況に追い込まれる危険があります。

2、警察への通報もしくは損害賠償請求


警察へ通報される、もしくは損害賠償請求を受けるといった可能性もあります。 住宅ローンの不正利用は、あくまでも借主が加害者で銀行が被害者という関係です。
詐欺という犯罪を行っていることになるため、最悪の場合、警察への通報もしくは損害賠償請求の可能性があることは知っておきましょう。

3、次の借り入れが難しくなる

融資を使って不動産を購入する際には、銀行が既に保有している物件の調査を行います。その時、借入が住宅ローン名義であるにも関わらず実態が投資用である場合、融資を断られるケースが多いです。

住宅ローンで購入した物件を賃貸に出した際の解決方法3つ

住宅ローンで購入した物件を賃貸に出した際の解決方法3つなんちゃって不動産投資住宅ローンで不動産投資|住宅トーンで購入した物件を賃貸に出した際の解決方法 すでに住宅ローンで購入した物件を賃貸に出してしまったときに解決方法は大きく3つあります。
  • 自分が住みなおす
  • 住宅ローンを完済する
  • 不動産投資用ローンへ借り換えをする

自分が住みなおす

自分が住んでいれば違法にはなりません。 但し、現在入居者がいる場合、強制的に退去は難しいので、賃貸更新のタイミングなどを見計らって交渉することが望ましいでしょう。

住宅ローンを完済する

手持ちの現金で完済、もしくは投資物件を売却して現金を得る方法です。

不動産投資ローンへ借り換えをする

住宅ローンを借りている金融機関に正直に相談する方法です。 ただし、違反をしていたことを自ら告げなければいけないことから場合によっては即時完済を求められる可能性があるためなかなかハードルは高いかもしれません。

 

お話を聞かせてください

「住宅ローンを利用して不動産投資を行ってもバレない」と考えている人もいるかもしれません。
しかし近年相次いだフラット35の不正利用などにより、金融機関も調査に乗り出すなど、監視の目を強めています。
なにより、仮に住宅ローンを利用していることがバレた場合、一括返済などの法的措置が取られ、最悪の場合自己破産というケースも充分に考えられます。金融機関からの信用が下がり、今後の融資にも影響を与えてしまうでしょう。
マンションを投資目的で購入したいが投資用ローンを組めない人。
投資用ローンよりも金利が低いからなんちゃってローンをする人。
不動産販売会社からろくに説明を受けず、知らないままなんちゃってローンをしている人。
様々な理由があっても、なんちゃってローンは契約違反であり、不正な投資手法です。

まずは、愚痴でも結構です心情を吐露してください。

ご相談をお待ちしております。

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